記事: ORIGAMI Dripper Air S - ETHIOPIA GARGARI GUTITY / HEIRLOOM WASHED

ORIGAMI Dripper Air S - ETHIOPIA GARGARI GUTITY / HEIRLOOM WASHED
今回は、ドリッパーにORIGAMI Dripper Air Sを使用しました。ORIGAMIは、酸の明るさや華やかなトップノートを際立たせやすい反面、甘さの印象や厚みの出しにくさを課題と感じており、これまで取りあげてきませんでした。しかし、今回はエチオピア/ガルガリ・グティティのもつ華やかさを表現したいと考え、ORIGAMIの特性を活かしつつ、甘さを補う淹れ方を模索しながらレシピを組んでみました。
ORIGAMIのリブは、上部は広く、下部にいくほど狭くなる構造をしています。そのため、出口で抵抗が生じて液面が上昇しやすくなると同時に、上部ではバイパス(お湯が横へ抜ける現象)が増加し、渋みと未抽出が混在する原因ともなります。
そうしたリスクを回避し、フレーバーをしっかりと引き出すために「低水位の維持」と「中心透過」を意識して抽出をおこないます。
まず、注湯は底部の排水能力を超えない遅めの流速でおこない、注湯径は500円玉サイズにとどめます。ORIGAMIはペーパーフィルターが実際よりも広がって見えるため注湯径には注意が必要です。液面を低く保ちながら厚みのある中心部へ注ぎつづけることで、外周へお湯が逃げるを防ぎ、粉層の最底部まで確実に浸透させて粉層全体から成分を引き出します。そうして甘さまでしっかりと引き出します。
今回のガルガリ・グティティでは、さらに、1 投目をやや多めに注ぐことで酸の印象を立たせ、華やかさを感じやすいバランスに調整しています。その後は、残りのお湯を1秒あたり3gずつ注ぎつづけます。ぜひお試しください。

Origin
数年前まで、納得のいくエチオピアがみつからない年が長く続いていました。1年間エチオピアをリリースしなかった年もあり、その後に販売した銘柄も元はブレンド用に購入していたものでした。にもかかわらず、販売開始と同時に予想をはるかに上回る人気で即完売となり、そのとき、ラインナップにエチオピアは必要不可欠なのだと痛感したのです。
その出来事よりもすこし前、私が初めてエチオピアを訪れたのは4年前でした。しかしその際も良いロットがみつけられず、苦い経験に終わりました。しかも、産地ツアーを終えて首都アディスアベバにもどった際にコロナにかかり、ホテルの部屋でワールドカップを観ながら延泊・療養を余儀なくされるというおまけつき。さらには、快復してすぐに現地のエクスポーターから「もっているサンプルすべてにスコアをつけてほしい」と依頼されたのです。当時、エチオピアにはQグレーダーがふたりしかいなかったそうで、(良い機会ではありましたが)膨大な量と精度を要求されるという、療養明けには厳しい事態となりました。
さて、ラインナップにおけるエチオピアの重要性を再確認し、ふたたびエチオピアを訪れたのは昨年のこと。「今度こそ納得のゆくロットを見つける」という強い意志をもって臨み、ついに巡りあえたのが、ガルガリ・グティティ・ウォッシングステーションでした。カッピング時に「エチオピアにもこんなにちゃんと良いロットがあるのに、どうして日本に届かないのだろう」とさえ思うほどでした。「輸送時の劣化が激しいのだろうか?」と疑問を抱きつつも購入したところ、大きく劣化することなく品質を保っていました。
そして今年の、3度目のエチオピア訪問。ブラインドカッピングで欲しいと思ったロットの名前をリストで確認してみると、そこには「ガルガリ・グティティ」の文字がありました。クオリティと再現性の高さを保った本当に良いウォッシングステーションであること、そして私が好きな味わいであることを実感し、昨年に引きつづき、購入を決めました。
ガルガリ・グティティ・ウォッシングステーションのあるイルガチェフェは、エチオピアを代表する生産地域のひとつで、国内で最初にウォッシュト・プロセスをおこなった地域としても知られています。ナチュラル・プロセスが主流だった時代に、中米で発展していたウォッシュト・プロセスを取り入れ、クリーンカップを高めたことで、高標高・在来種由来のジャスミンや柑橘、ベルガモットを思わせるフローラルなテロワールが際立ち、世界的なスペシャルティコーヒーとしての評価を決定づけました。まさしくイルガチェフェは、エチオピア・スペシャルティコーヒー発祥の地といっても過言ではないでしょう。
ガルガリ・グティティは、そのイルガチェフェのなかでももっとも標高の高いエリアであるゲデブに位置しています。さらにゲデブのなかでも、尾根から風化・侵食によって削り落とされた火山灰や粘土鉱物、有機物が堆積する緩傾斜に位置しており、深い土壌が形成されているのが特徴です。そうした土壌の特性により、樹木がより深く、ひろく根を張り、巨大な自生高木が育つ環境が生まれ、結果として、最上層に自生高木、中層にエンセーテやバナナ、下層にコーヒーノキという多層なアグロフォレストリーが形成されていることが特徴です。
日光が上層の樹木で散乱され、やわらかい木漏れ日として届く環境で育ったコーヒーノキは大きなストレスを受けることなく、繊細なフレーバーを保ったまま成熟していきます。そうして、フローラル、ピーチ、オレンジなどのフレーバーや上品なフルーツ感をもったコーヒーが生まれます。ぜひ、その味わいをお楽しみください。
(佐藤)

Roast
今回はウッドベリーで2回目の取り扱いとなるガルガリ・グティティです。
基本的にエチオピアのウォッシュド・プロセスの豆は密度が高い傾向にあるため、投入温度は高めに設定します。今回のガルガリも同様、高めの投入温度で適切にカロリーが入るような設計にしております。その後は、急激な温度変化を避け、焦げを防止して焼き上げました。
その結果、フローラルをしっかりと感じる、これぞエチオピアといった味わいに仕上がっています。
(今川)








